■詩人の血
「いやです」
 いよいよプールか
 私は水泳がにがてです
 だって プールに入ると
 深い所があるしつめたいから
 クロールは50メートルしか
 泳げない
 それでもプールはいやです
 という、小学生女子(なんて単語をわざわざ書いたのは、この記号に反応する人間がいるかもしれない、と思ったからである。僕の身近に、数名はいると睨んでいる)が書いた詩が新聞に載っていて、それに対する詩の選者の返答が、「小学生のとき、プールで25メートル泳げたときのうれしさが忘れられません」というものだったのだが、わあ、それ、返答というか、何も答えていないのでは? 彼女は、プールは嫌、水泳は苦手、と言っているのに、選者は自分の楽しかった思い出や達成感の話にすりかえている? まったく、非道の選者であることですね…。っあ、いや、でも、それともこれは、そもそも彼女の詩に対する返答ではないのかもしれない、とも思う。元々、新聞のこのコーナーは、選者が詩にインスパイアされた事を言う、つまり適当に答えるコーナーだった、と、ただそれだけなのかもしれないから、選者が親身になって掲載された詩の内容に則して答えてくれる、という発想自体が幻想なのかもしれない。更に言えばこの選者、新聞の校正基準、睡魔に襲われている、エロい事を考えているのでそれどころではない、などの諸事情により、まともな返答をするのが大変困難となっております、といった状況に陥っている事も十分考えられるわけであり、僕とてもう大人なので、その辺りの事情はわからないでもないのである。しかし、人の気持ちを理解するには自分に置き換えて考えなさい、の教えに従うと、やはり選者に対し、許しがたいものがこみあげるのではないだろうか。

 だって、もし自分が、
「いやです」
 明日も仕事か
 私は仕事がにがてです
 だって 会社に行くと
 残業があるしつめたいから
 残業代は
 つかない
 それでも仕事はいやです
というポエムを送ったのに、その返答が「はじめて契約が取れたときのうれしさが忘れられません」とかだったら、正直厭だもの、煮えてくりかえるもの、はらわたが。もう、こんなポエムを送っている時点で、既に僕の心は背水の陣というか切羽詰っているのは明白なのに、それを察せず、あるいは故意に無視して、こんな、投げやりな返答をしやがって…畜生、許さないぞ!! と、今、実際に送ってもいないのに腹が立ってきているという始末っぷりなんである。僕でさえそうなのだから、これが年端もいかない子どもだったら、いかに傷つくことだろうか…。まったく、義憤を禁じ得ませ、ん、というか、「子どもが傷つくから駄目ですよ」、っていうのはまあこの文章をまとめるための無理矢理な言葉なので、自分の話を展開したいがために子どもをダシに使っている辺り僕も相当同罪なのですがね。ともかく、やっぱり、みんな、人の話は真面目に聞いて答えないと駄目だ、っていう事ですよ。っていうか、ああ、思い出した、詩とかそれより残業代くださいよ。ねえねえ。

[2003.08.27]

■あの娘僕がロング更新したらどんな顔するだろう
 この時期になると皆様、皆様っていうのはインターネットで日記を書いている皆様という意味なのですごく狭い皆様なんですけれど、皆様夏休みなのでしょうか、あまり更新しないみたいで、僕はどうにも退屈しています。皆さん、もっと、日記を書きましょう。思い出してください、ジャストリメンバー、あなたがたは、小学生の頃とか、もっと日記を書いていたはずですよ。そうに違いないのです。違ってたらごめんなさい。ってそりゃあ、学校の課題などで書かされていたのかもしれない、親に強制されていたのかもしれない、でも、あなた、書いていた。日記を、書いていた。幼い頃の、永遠とも錯覚するかのように続く一日の繰り返しを、あなたがたは、日々、記していたはずです。だのに、何故、今は書いていないんですか? そう、どうかあの頃のプリミティブな日記衝動を思い出して…。そうして、巡回する僕を悦ばせてよ…。

 なんて、プリミティブな日記衝動とかわけのわからない事を言っても皆様が僕の日記喜び組になってくれるはずも無し、つまり更新なさらないわけですから仕方がなく自分で更新している次第なのですが、そういうわけで最近不思議に思っていることを書きます。僕は仕事中にan anなど読むのですが、占い、および、性格診断系の記事は、1ページ内に、同じ人向けなのにまったく正反対の結果が並んでいたりするのですがあれはどうしてなのでしょう。例えば、「わがままばかりで彼に嫌われないよう気をつけて!」なんて書いてある数センチ下には、「たまにはわがままを言って。彼の言いなりだけが恋じゃない!」なんて書いてあるものだから、僕は混乱してしまいます。女性はいつも、あんな難解な死海文書を解読して彼のHeartをGetしているのでしょうか。道理で昔から女性の考えていることは想像の範疇を超えるわけだなあと思うわけですが、本当、どうなっているのでしょう。まあ、違う号で正反対の特集をやっている、っていうのならまだわかるんですけどね。同じ号なのに正反対って、ふしぎがいっぱい夢いっぱいです。おかげで仕事がはかどりませんよ。実際問題。

[2003.08.23]

■TAKEDAスタイル
 Hi!! 日記です!! って間違えた。それは昔の秘められた隠匿された抹消された過去のインターネット内の自分の名前であり、今はもう基本的にそんな人はいません。よし、意味わかんない記述で数行稼いだゾ。というわけで話し変わって、東急、正式名称は東京急行だったっけか、ちなみに、ご存知でしょうか実は連中、電車業に飽き足らず、マンションとかも売り出しているんですよね。ドエルシリーズ、っていうのかな。あのマンション。ウチの近くにはドエル・アルスって名前のマンションがあって、仕事場の近くにはドエル・ドレッセっていうマンションがあるのですが、今日僕が声を大にして言いたいのは、それってなんだかモビルスーツっぽい名前ですよね、っていう事です。

 まあ、ドエル・アルスは重装備、V2アサルトバスターガンダムを凌駕する火力を誇ってそうな名前だし、ドエル・ドレッセは機動性に富み、指揮官専用機って感じです。「大佐! ドエルはまだ調整中であります!! 危険ですよ!!」「予定の出力の7割も出れば構わんよ。陽動と、更には慣熟飛行も兼ねて出ると言っている。もうファンネルは付いているのだろう?」「ハ、ハァ…付いてはおりますが…」「ム、なら問題あるまい? ドエル・ドレッセ、出るぞ!」みたいな寸劇が思い浮かびますね。ああ、東急のマンション担当者はガンオタなんかなー。と、死ぬほどどうでもいい話をしてしまいました。書いてる僕だけは割と楽しいんですが、でも、こういうのが嫌われる日記というやつなんですよね。僕の胸のうちで発売されている『こんな日記は嫌われる』(ワニブックス)によると、高感度インターネットニッキーズの間では、これが俺スタイル、それが俺式、といった、俺は真の笑いとかすごいわかってますよ感に溢れた日記が流行とのこと。ですが、まあそういう日記って昔から書けないんですよね…。そして、それが書けないと、暗喩に満ちた痛快ウキウキフォームが鬼神の勢いで送られてきたりするそうなのでこわいですヨ。ああ、もう、兎に角、これは僕の僻みなのですが、みなさん、センス溢れる面白い日記とか書かないでください。だって、面白い日記を読むと、自分のちっぽけさが骨身に沁みて沁みて…ほうら見て、僕の心ってば、こんなに哀しい色やねん。

[2003.08.17]

■夢 with you
 ついに来た。先日、街に溢れるオレンジ装束集団のことについてこの場所で書いたのだけれど、今日、とうとう、奴らに話し掛けられてしまった。僕は、独りで歩く時は、往々にしてヘッドホンを装着してけっこうな音量で音楽を聴いており、本当、誰も、俺に話し掛けてくれるなよ、と思いながらぼんやりとした風情で外界と隔絶を図っている。そうすると、何かと安心だからだ。なんで安心なのかは考え始めると色々とアレな感じがしそうなのでここでは深く追求しないが、さておき、そんな自分の、いわば境界線、障壁、心の壁、ATフィールドを突破するかのように、件のオレンジ装束は僕に話し掛けてきたのである。

 美容室、とオレンジは確かに言った。僕に話し掛けた際にだ。僕は、爆音ATフィールドを展開していることもあって、早々にオレンジを無視できたのだが、しかし、ということは鑑みるにやはり、あのオレンジ装束は美容室の走狗なのだろう。ただ、気になったことがある。僕が入手した情報によると、どうやら奴らは結局のところキャッチの類であり、傾向としてやつらは所謂おのぼりさん的というか、あまり見てくれ格好のよろしくない人間に好んで声をかけるらしい、ということだ。その方が、奴らの目指すオレンジ境地に引き摺りこみやすいのだろう。

 オールライト、確かに、今日の僕はいかにも適当な格好だった。変哲もないジーンズと、半袖シャツといういでたち。髪だってだいぶ伸びてきて、ロックやなぁ、といえば聞こえの良い髪形だが、その実、ただ伸びただけの代物だった。だからか、と思い、その場は別段気分の悪くなることもなく納得したのだが、その後、中華料理屋に入った際に男女混じったSEの集団がいて、SEは根性、なんて言いながらぎゃあぎゃあと騒いでいた時に器の小さい自分は時間差で気分が悪くなってしまった。僕は、なんというか修行が足りないのだろうか。いや、でも、だって、あいつら、俺たち面白いでしょう?なんて感じで騒いでいるものだから、そしてそれが完璧に面白くなかったものだから、つい…。というか、悪魔の病巣職業として名高いSEの癖に!! と、あ、いかにもな悪意偏見に満ち溢れたことを書いてしまったが、よく考えたらこの話、オレンジ装束に話し掛けられて気分が悪くなったっていうより、SE集団に腹を立てたってだけの話である気がしてきた。あの人たちは日々言ってることが違い僕を混乱に陥れた挙句終電に乗せない、などの恐るべき特殊能力を発揮するので、昔、あまり好きませんでした。つまり今日の日記は読み返してみるとどきどき私怨日記であることが判明致しました。めでたしめでたし。

[2003.08.11]

■サラリーマン用語辞典「一面の真理はある」
 台風が接近しているというので家路を急いでみたのですけど、帰り道のさなか、俺は台風の進路も変えちゃう男だヨ!!なんて感じの言葉を口頭で再生し、女性の気を引かんと画策するトルネードボーイを発見してしまったので、僕の微々たる気力が底をつきました。21世紀だってのに、やってられません。

 っていうか、もひとつ気が付いたことがあって、それは何か、って言いますればあれですよ、しばらくこのサイト、サイト? まあいいや、なんか放置していたんです。けど、さっき、放置しすぎだなと気づいた時にまずいなって思って、はにゃわわわあ、なんて、「秋葉原の大地母神」とも呼ばれているDEJIKO(スワヒリ語で「忍び寄る混沌」という意味)っぽい叫び声をあげてしまいましたよ。何せ放置はいけませんよね…。っていうわけで心機一転、アップロードボタンを連打!連打!っていう勢いで更新を試みているわけですが、まあ、なんで更新しなかったかというと、1カ月分のログを過去ログに移すのが世界レベルで面倒だったからです。って嘘嘘。というわけでもなく、本当は夏が暑いと憂鬱になるからでしたってお・は・な・し、ですよ。

[2003.08.09]