
1.ZOO STATION | 7.THE FLY |
2.EVEN BETTER THAN THE REAL THING | 8.MYSTERIOUS WAYS |
3.ONE | 9.TRYIN' TO THROW YOUR ARMS AROUND THE WORLD |
4.UNTILL THE END OF THE WORLD | 10.ULTRA VIOLET(LIGHT MY WAY) |
5.WHO'S GONNA RIDE YOUR WILD HORSES | 11.ACROBAT |
6.SO CRUEL | 12.LOVE IS BLINDNESS |
『WITH OR WITHOUT YOU』、『SUNDAY BLOODY SUNDAY』、『NEWYEAR'S DAY』などのU2の代表曲はありますが、僕はそのどれもが収録されていないアルバム『ACHTUNG BABY』を好みます。自らのロックスター的側面を戯画化したムードに包まれ、テクノロジーに傾倒した『ZOOROPE』や『POP』は、既にメガバンドと化したU2をメタ的に、自嘲的なトーンで演じるというどこか入り組んだ構造にどうもリスナーとしては浸りきれない面も正直ありました。それが彼らが真摯に音楽と向き合うがあまりの行動である事は理解出来たつもりだったのですが、スタジアムを埋め尽くす集客力を持つバンドの苦悩、というのは僕にとって難しく感じたのです。また音楽的に言っても、テクノロジーを意識した『ZOOROPE』『POP』当時のU2のサウンドは実際はそこまで真新しいものでは無いと感じてしまった、というより、コンセプトが先走りしているような印象(音に「無理してる」感がある、というか)を受けてしまったのです。ついでに言えば『ACHTUNG BABY』以前の作品は僕にとって少しだけ生真面目過ぎる印象で、更にリアルタイムでは聴いていません。なので、僕は『ACHTUNG BABY』を好みます。理由は、(僕にとって)生真面目過ぎず、かつ『ZOOROPE』や『POP』の様な先走り感が無い、丁度良いバランスのものだからです。あ、あと最後に、実は最新作は聴いていません。我ながら酷い。こんなんでこれ以上U2の全体的な事を書くのは申し訳ないので、アルバム『ACHTUNG BABY』の内容自体に話を移します。
僕が『ACHTUNG BABY』の後に発表されたアルバム『ZOOROPE』や『POP』においてコンセプトの先走りを感じている事は先ほど書きましたが、実際、今聴くと断然『ACHTUNG BABY』の方が格好良いサウンドだと思っています。従来のU2が持っていた格好良さと、導入した新しい血の融合具合が一番良く出来ていると思うのです。マンチェっぽいM-7『THE FLY』や、ジ・エッジ(g)のディレイがかったギター、言わば「U2っぽい」あのギターサウンドとアダム・クレイトン(b)、ラリー・ミューレン(dr)のリズム隊の絡みがカタルシスを産むM-11『ACROBAT』など、かなり格好良い。また、メロディ、サウンド両面で沁み渡るような静謐さと切なさを感じるM-6『SO CRUEL』やM-9『TRYIN' TO THROW YOUR ARMS AROUND THE WORLD』も、えもいわれぬ心地良さがあります。
なかでも、僕がこのアルバムで一番好きなのはM-3『ONE』です。ボノ(vo)が朗々と歌い上げるバラードなのですが、曲もそうなんだけれど歌詞が僕は凄く好きで。愛について歌い上げるこの曲の一節に「We're ONE But We're NOT The Same(僕らはひとつ だけど、「同じ」ではない)」というのがあって、そこが凄く気に入っています。「愛」についてなんて僕は未だにろくすっぽわかっていないけれども、そこの部分の歌詞は僕にすごく影響を与えたといっても差し支えありません。今でも、この曲を聴く時はなんと言うのだろう、ありふれてる言い方だけど特別な気分になるのです。そして、いつも通り結論らしい結論も無いまま、この文章を終わらせたいと思います。
------
追記:そういえばU2との出会いは中学生の頃でした。塾の帰り道にあったレコード屋で『Rattle And Hum』のドキュメンタリービデオが流れていて、足を止めて見入ったのです。ストリートライブを決行し、人の波で車の通りを止めたU2、そしてそれを見たボノが「ロックンロール ストップ ザ トラフィック!」と高らかに宣言する映像を見て「おー、かっけーべ?かっけくねー?」と思ったのが最初でした。所謂「洋楽のロック」を心の底から格好良いと思ったのはこの時と、同時期にガンズアンドローゼズのライブ映像を見た時が始めてだったような気がします。