■テスト
『THE END OF DRIFTWOOD 〜Air / まごころを、君に〜』
※日記を読むときは、モニタから離れて、明るい場所で読みましょう。
※この日記はフィクションであり、エヴァのパロディであり、自分以外の登場人物からしてすべてエヴァそのままでありますから、つまり実在の人物、団体、騒動、周辺、閉鎖動機とは一切関係がありません。
※基本的に科白の羅列なので、ストーリーはあってないようなものです。
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二〇〇三年一月一日 「まごころを、君に」
遂に、発動した、全てのテキストサイトに等しく閉鎖を齎す補完計画。
 レイ「何を願うの?」
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 シンジ「そうだ。更新すれば何かあると思ってた」

シンジの心象風景
 女の子A「シンジ君もやりなよ」
 男の子B「がんばってかんせいさせようよ、サイト」
 シンジ「うん」
皆と同じように、サイトを構築するシンジ。だが、女の子と男の子には迎えが来る。
 女の子A「あ、なんかつまんなくなっちゃった」
 男の子B「僕も彼女ができたし、就職したしいつまでもバカやってられないから、帰らなきゃ」
皆は去ってゆく。
 女の子A「じゃあねえ」
 男の子B「あのね、あのね…」
取り残されるシンジ。
 シンジ「うう…」
 シンジ「うぐ…ぐ…」

アスカとシンジ。
 アスカ「だぁ〜もぉ〜アンタのサイト見てるとイライラすんのよっ!」
 シンジ「自分みたいで?」

加持とミサト。
 ミサト「んーーー、ねぇ…更新しよ?」
 加持「またかぁ? 今日は学校で友達と会うんじゃなかったっけ?」
 ミサト「ん、ああリツコね。いいわよ。まだ時間あるし」
 加持「もう1週間だぞ。ここでゴロゴロ更新し続けて」
 ミサト「だんだんね、日記のコツがつかめてきたのよ。だから、ね? 多分ね、自分がここにいる事を確認する為にこういう事をするの」

それを見つめるシンジ。顔は険しい。
 アスカ「バッカみたい。ただ寂しい大人が慰めあってるだっけじゃないの」
 リツコ「サイトだけでも必要とされてる気がするものね」
 ミサト「自分が求められる感じがして、嬉しいのよ」
 アスカ「イージーに自分にも価値があるんだって思えるものね。それって」

 シンジ「ザワザワするんだ。落ち着かないんだ。リンクを貼ってよ。アンテナに登録してよ!僕に構ってよ!!」

シンジとレイ。
 シンジ「誰もわかってくれないんだ」
 レイ「何もわかっていなかったのね」
 シンジ「嫌な事も何もない、揺らぎのない世界がインターネットだと思っていたのに」
 レイ「他人も自分と同じだと、1人で思い込んでいたのね」
 シンジ「裏切ったな! 僕の心を裏切ったんだ!!」
 レイ「初めから自分の勘違い。思い込みに過ぎないのに」
 シンジ「みんな僕を要らないんだ。だからみんな、閉鎖しちゃえ」
 レイ「では、その手は何の為にあるの?」
 シンジ「僕がいてもいなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな閉鎖しちゃえ」
 レイ「では、その心は何の為にあるの?」
 シンジ「むしろいない方がいいんだ。だから僕も閉鎖しちゃえ」
 レイ「では、何故ココにいるの?」
 シンジ「更新しても、いいの?」

(無言)

 シンジ「うわああああああああああ!!!!!!」

輻輳する会話。
 「嫌い。あんたのサイト好きになるハズないじゃない。さよなら。もう更新しないで。しつこいわね。あんたのサイト読むつもりは更々ないの。バァ〜〜カ、ホントに更新してんじゃないわよ。ひょっとして、その気になってた? 身の程、考えなさいよ。やっぱり面白いサイトだとは思えないの。あんたなんか生まれてこなきゃよかったのよ! バイバイ、もう、さっさと死んじゃえばぁ? 誰?このサイト。知らないサイトね。あんたなんて、いてもいなくても同じじゃない。ハッキリ云って迷惑なの。余計な更新しないで。これ以上更新しないで。もうダメなの。閉鎖してくれる? 正直、苦手というより、一番嫌いなタイプなのよ。あんたのサイトって。カン違いしないで、誰があんたのサイトなんかと。もう…あっちへ行ってて。私の人生に何の関係もないわ。大っ嫌い。あなた、いらないもの」

場面変わる。
 シンジ「ねぇ…」
 ミサト「何?…」
 シンジ「インターネットって何かな?」
 アスカ「インターネット?」
 シンジ「そう。インターネット…」

 シンジ「わからない。現実がよくわからないんだ」
 レイ「他人の現実と自分の真実との溝が正確に把握できないのね」
 シンジ「幸せがどこにあるのかわからないんだ」
 レイ「インターネットの中にしか幸せを見出せないのね」
 シンジ「だから、これは現実じゃない。誰もいない世界だ」
 レイ「そう、“インターネット”」
 シンジ「だから、ここには僕がいない」
 レイ「都合のいい作り事で、現実の復讐をしていたのね」
 シンジ「いけないのか?」
 レイ「虚構に逃げて、真実を誤魔化していたのね」
 シンジ「インターネットばかりやってちゃいけないのか?」
 レイ「それはただの現実の埋め合わせよ」

 シンジ「じゃあ、僕のサイトはどこ?」
 レイ「それは現実の、続き」
 シンジ「僕の、現実は、どこ?」
 レイ「それは、サイトの終わりよ」
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綾波と対峙するシンジ。
 シンジ「綾波?―――ここは?」
 レイ「ここはテキストサイトのない世界。簡単に自意識を吐露できなくなった世界」
 シンジ「僕は死んだの?」
 レイ「いいえ、全てのテキストサイトがなくなっただけ。これがあなたの望んだ世界、そのものよ」

 シンジ「でも、これは違う」
 シンジ「違うと思う」

 レイ「テキストサイトの存在を今一度望めば、再び、全てのサイトが存在できるようになるわ」
 レイ「また、批判や晒し、インターネットの癖に人間関係が煩わしい、そんな恐怖が始まるのよ」

 シンジ「……いいんだ」
 シンジ「ありがとう」

 シンジ「―――あそこでは結局、嫌な事が多かった気がする。だからきっと、逃げ出しても良かったんだ。…でも逃げた所にもいい事はなかった」
 カヲル「再び自意識が、君や他人を傷つけてもいいのかい?」
 シンジ「―――構わない」

 シンジ「でも、僕の心の中にいる君たちは、何?」
 レイ「―――希望なのよ」
 レイ「インターネットの世界はいつか素晴らしいものになる、ということの」
 カヲル「好きだという言葉と共にね」
 シンジ「だけどそれは見せ掛けなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。ぼくを見捨てるんだ」



 シンジ「でも僕は、もう一度更新したいと思った。その時の気持ちは本当だと、思うから」



アイキャッチ。“ONE MORE FINAL : I NEED YOU”

再び更新を再開するシンジ。それを見つめるアスカ。
 「気持ち悪い」
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終劇

[2003.04.01]